
肩を張らずに読めばいい
判断的な内容はないので分類すれば解釈本だが、首っ引きで原典解釈に取り組んだ経験はちょっと窺えない。
その上、締め切りのコラムを急ぐようにそそくさと書いていて、解釈もキメが粗いのだ。例えば、【水天需】上爻の「速(??)かざるの客 三人 有って来る」が全くのピンチであるような書き方で終わっているが、これは三人の客に敬意を払って従えば穴の中に陥っている身も吉に転じる、の意味である。「速かざる」とは「不招」の意味ではなく「期待していない」。
だから、64卦と各爻についてこんなイメージ(もある)かなぐらいの扱いで、読み物として読めば好いかもしれない。
前段には、易と無関係のエッセー、占筮についてのごく基本的な事項、八卦の取象、が計39ページ。
本編には、卦・爻についての解釈、所々に有名どころなどの占例が入る。原文の掲載はない。十翼も扱っていない。
この本は43年を経て著作集「易占集」シリーズの一として復活した。だが、九星も方位学もこのシリーズとして並んでいるのでご注意。
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